manual
Macintosh SE/30の分解手順〜その5

放電作業と放電工具
コンパクトマックの内部には高圧電流が流れています。しかも電源を切ってもしばらくは内部のコンデンサーに残っていることもありますので、作業中に思わぬ感電事故を起こすことがあります。電流はさほど大きくないので生死に関わることはまずありませんが、驚いたはずみの事故でCRTのネックを折ったり、ロジックボードに通電させて破損したりする2次的事故が報告されています。
感電事故を防ぐにはマイナスドライバーの金属軸部にビニル線(30芯程度)をハンダ付けして、ビニル線の先にワニ口クリップを付けた工具を使用します。全て揃えて数百円です。専用の工具を買うと結構しますので1本持っておいて損はしません。勿論クリップとドライバー先端は通電出来る必要があります。使用時は金属軸には触らないように注意します。


ESD静電気破壊対策
マックの内部には静電気等で破損しやすい部品が大量に使用されています。うっかり帯電した指でチップに触ったりすると、瞬間にしてマザーボードを使用不能にしてしまうこともあります。
対策は幾つか有ります。先ずアースされた水道の蛇口や大きな金属に触って帯電した電気を放電します。次に衣服は化繊を避けて摩擦などで静電気を起こさないように注意します。作業台は静電気を逃がす構造の物が望ましいです。そして作業中は手首に導電性リストバンドを付けて、そこから延びたリード線の先をアースしてやります。
取り外したSIMMやボード類は帯電防止袋に入れ、ICチップは導電スポンジに刺して保管します。アルミホイルに包む事は止めた方が良いでしょう。SIMMはともかくマザーボードには電池が付いていますし、コンデンサーもあります。ショートさせるのは考え物ですから。


FDDの清掃
取り出したFDDはホコリだらけです。ホコリが溜まったり、グリスが固まってしまうとフロッピーの挿入/排出が出来なくなることもあります。
先ずは屋外に持って出てエアスプレー(缶に特定フロンガスが入っている)でホコリを吹き飛ばします。吹き飛ばせなかったホコリは柔らかい習字の筆で軽く払います。
次に機械油(CRC-556は潤滑油を流してしまいますのでダメ)を綿棒にしみこませて擦れ合うパーツ部に付けてFDのセットとイジェクトを手動で繰り返します。動きが滑らかになりますか?
この時に決してヘッドに触ってはいけません。マックのFDDのヘッドはうっかり持ち上げて取り付け部の金属板を曲げてしまうと、再生不能です。ヘッドのクリーニングはクリーニングディスクを使って正しくおこないましょう。
シールドを生かせば、他のMacintoshのFDDも流用できます。FDHD SuperDriveでなくても800Kドライブでも使えますが(要・ケーブル交換)、1.44MBが使えないのは致命的ですからFDHD SuperDriveを入れましょう。デスクトップマシン用で挿入口にシャッターが付いていない物なら流用可能です。秋葉原のパーツショップでは正規のパーツ価格より安くで購入が可能です。
また、挿入口の左右にあるマイクロスイッチの故障で、ディスクの有無、ライトプロテクト、メディア密度の検知が出来なくなる事もあるようです。そのような症状の時はこのスイッチを疑ってみてください。


P1コネクター
このコネクターが接触不良を起こすと水平、垂直方向の電流が与えられず線状、あるいは点状の表示しか出来なくなります。 先ず疑ってみるのはコネクタのハンダのクラック(ひび割れ)です。対策は紙製のインシュレーターを外してP1コネクターのハンダをつけ直してやり、それでもダメだったりコネクタが茶色に変色していたら爪楊枝や細目の耐水紙ヤスリでコネクタ内の金属端子を磨き、最も細いマイナスの精密ドライバーで"C"の形状の内部の金属端子を少しきつめに締めてやります。
これでダメなら高圧トランスを疑ってみましょう。入手難の割に壊れる事の多い高圧トランスは、Plus,SE,SE/30,Classic,Classic2が共通部品です。
ところでアナログボードは古くなると次々と抵抗やコンデンサが連鎖的に壊れていきます。


ハードディスクの交換
最近のソフトの肥大化とハードディスクの低価格化でドライブの交換をされる方が増えています。
通常、HDDの基盤にはジャンパーピンが数組あります。以下はQuantum社のドライブの設定例です。
A0,A1,A2はSCSIのID設定です。(出荷時6)
SSはセルフ・シークチェック設定です。 (出荷時off)
EP又はPOはパリティー設定です。 (出荷時on)
WSはモーターの省電力設定。 (出荷時off)
TEはターミネーター設定。 (出荷時on)
ターミネーターはジャンパーピンで行う物と、集合抵抗が2個のものと3個のものがあります。足の数もそれぞれ、10ピンと8ピンと差があります。
SCSIのID番号の設定はジャンパーピンでおこないます。2進法で設定しますが、3bitで下位からA0,A1,A2の順です。
集合抵抗型ターミネーターは基盤上の印に1番ピンを合わせて差す必要があります。
ところでSE/30用のブラケットは入手が難しくなっていますご注意下さい。
また、旧型のドライブに合わせてあけたブラケットの取り付け穴は最近のドライブとは位置が異なりますので、流用には工夫が必要です。


ターミネーター
ターミネーターはSCSI信号の終端で発生する反射ノイズの除去の為に必要で通常SCSI機器の最初と最後に必ず必要となります。
本体にHDDが内蔵される場合は単純に内蔵HDDにはターミネーターが必要です。
問題は外付けのSCSI機器のターミネーターです。

内蔵HDDを持つMacintoshの場合
・外付けの機器のチェーンの最終部の出口側に取り付けます。
内蔵HDDを持たないMacintoshの場合
・1台目の機器の入口側コネクタに貫通型ターミネーターを取り付けます。
・さらにSCSI機器を複数台連結する場合はチェーンの最終部の出口側に取り付けます。


メモリの増設
Macintosh SE/30に使用するSIMMは120ns以上の速度に対応した物を使用して下さい。現在市場に流通している物は120nsより遅い物は無いはずですが、中古品を使用するときにPlus用の150ns等が混じっているとトラブルの元です。
DIPチップを使用した256KB/1MBのSIMMはバンクAだけを使用して下さい。
各バンクは同一容量で統一する必要が有ります。A・B各バンクの容量が違う場合はAバンクに容量が大きい物を装着して下さい。


マックオープナー
マックオープナー 一体型のMacintosh(モジュラー・タイプ)を開くには柄の長いトルクスドライバーと、ハウジングをこじり開ける為のオープナーが必要で、正規に購入すると1万円では足りませんから、何かの機会に見付けたら1本購入しておきましょう。
2〜3千円でマックの専門コーナーでしたら秋葉原、日本橋で入手出来るでしょう。


バックアップ電池
この電池が消耗すると日付、時刻や各種設定の情報が失われます。起動の度に修正を何度繰り返しても日付がおかしいときには、この電池を交換します。
カバーの側面をマイナドライバーでこじるようにして持ち上げ、電池の極性に注意して交換します。


-5-
次頁 前頁 ホームページ 【ホームページ】 【前頁】 【次頁】